執筆者 keita | 8月 14, 2012 | デンマーク
確かにその宿は安いわりにいつも空きがある。疑ってしかるべきだった。階下の薄暗いロッカールームに吉祥寺で買ったダイヤル式の錠をして安心していた俺の負けである。初めは気がつかなかった。朝起きてロッカーを開けようとして開けづらいので、無理矢理開けると、バックパックの普段開けない方の口が開いており、ん?とカメラが入っているはずの小さいカバンのほうを持ち上げてみる。軽い。しかも開いている。血の気が引いた。どこかに置き忘れたか?否、この状況を見よ。紛れもなく盗難である。寝ぼけながらも動悸が速くなる。他のものは?iPodもやられた、と思ったらカバン...