昔から気にはなっていた。なぜ演奏者はコンサートが終わると一度引っ込んでまた出て、を繰り返すのか。アンコールが終わった後の話である。拍手喝采ー引っ込むー出るー拍手喝采を少なくとも3セット、多い時は5セットもやる。日本ではクラシックコンサートなんか滅多に行かないからいいけれど、こうしょっちゅう舞台を観ていると(安いんですね)毎回やられるのでいよいよ気になってきた。なんかこう、退き際はもう少しサッパリできないものか。未練がましい。と、言ってしまうのは冒涜である。これが文化なのだ。
調べれば、舞台には昔は必ず幕があり、幕が降りたあとに間から再度観客にお礼の挨拶をする、という風潮の幕無し版だそうな。なるほど、にしてもなぁ…である。20人くらいしか入れない小部屋で聴いたピアノソロなど出口が普通の家のドアなもんだから、「出てドア閉めてドア開けて入って」の繰り返しはなんか若干コントふう。プラハの人形劇の人形たちまで律儀に出たり入ったり。慣れない東洋人は毎度帰り際を見計らっている。